【奈良】興福寺
世界遺産です。
興福寺には塀がありません。
人も鹿も何処からでも入れてオープンな感じです。
神仏分離で塀が取られ、今では奈良公園の中に寺院がある状態です。
藤原鎌足夫人・鏡大王が、釈迦三尊像を本尊として山背国に創建した山階寺が起源。
藤原京に移築して厩坂寺になり、平城京に移ると興福寺となりました。
その後も整備が進められ、春日社の実権も持ちましたが、
平安末期、兵火により東大寺と共に大半の伽藍が焼失。
現存の興福寺の建物はすべてこの火災以後のものだそうです。
観光客だらけ。
まず目を惹くのが国宝の五重塔。
高さ50.1m。木造塔としては東寺五重塔に次いで日本で2番目に高いです。
その隣にある横長の建物が東金堂。国宝です。
どちらも室町時代の再建です。
聖武天皇が伯母・元正天皇の病気平癒を祈願し、薬師三尊を安置する堂として創建。
平安末期の兵火による焼失後、僧兵が余所の像を強奪してきて本尊にしたそう。
中には仏像が並んでいます。
本尊の薬師三尊像(重文)、脇侍の日光・月光菩薩、維摩居士像(国宝)、文殊菩薩(国宝)、
四天王立像(国宝)、十二神将立像(国宝)。
国宝館へ。
外観は食堂を模した寺院建築風。
鉄筋コンクリートで新しいけれど、入って一気に空気が変わりました。
何故なら中央に立つ木造千手観音像(国宝)!迫力がありました!高さ5.2mの巨像!
鎌倉時代完成と推定され、元々食堂本尊で中央に安置。
当初の担当者が制作途中で亡くなった後放置され、別の仏師により完成されたそうで
造像開始から完成まで4半世紀の歳月を要したそうです。
国宝館の人気はやはり阿修羅像。
端正な顔立ちにすたりとした手足。
2010年にリニューアルし、多くの仏像がガラスケースなしで見られるようになったそうです。
中金堂は創建1300年を期に再建中。
寺の中心的な堂として平城京遷都直後に造営が始められたと考えられています。
焼失と再建を繰り返し、今国宝館にある千手観音像を始め、仏像の多くがあったそうです。
納経所は工事場前のプレハブにありました。
4種類ある中から選べたのですが、
興福寺の全体的なもの「今興福力(リョウコウフクリキ)」を頂きました。
「維摩経」の一説「福力を興さしむ」から取っているそうです。
南円堂。重要文化財。
オシャレな八角堂です。
創建時の本尊は、もと興福寺講堂に安置されていた不空羂索観音像。
西国三十三所の札所として参詣人が絶えませんが、堂の扉は常時閉ざされてます。
堂の前に生える 「南円堂藤」 は南都八景の一つです。
横には一言観音。
願いを一つだけ叶えてくれます。