【大津】延暦寺①東塔
滋賀と京都の県境。
標高848m。
平安時代初期に最澄が開いた天台宗の総本山であり、日本仏教の母山と呼ばれます。
日本の国を鎮め護る寺として朝廷から大きな期待をされ、
桓武天皇時代の年号「延暦」を寺号に賜りました。
数100の堂宇や伽藍があるそうですが、
最盛期には3000にも及ぶ寺院があったそうです。
境内は3つのエリアに分かれます。
メインの東塔を巡り、余裕があれば西塔、横川に足を延ばすと良いそうです。
まずは東塔。
延暦寺発祥の地であり、本堂にあたる根本中堂を中心とする区域です。
石碑の「一隅を照らす」とは
最澄の「一隅を照らす。これ則ち国宝なり。」の言葉です。
「個々が思いやりの心をもって一隅を照らす人になる」という延暦寺の教えで、
「国宝」とは物ではなく、人の心であると述べています。
このエリアには仏像や書籍を保管する「国宝殿」がありますが、
この名称もここから来ているそうです。
まず姿を現すのが各宗各派の宗祖を祀っている大講堂。
学問修行の道場。
山麓坂本の讃仏堂を移築したもので国の重要文化財です。
最澄は鎮護国家の為に12年間の教育制度を確立し、多くの高僧を輩出しました。
本尊は大日如来。
左右には比叡山で修行した各宗派の宗祖の木像が祀られ、
周りは仏教・天台宗ゆかりの高僧の肖像画も掛かっています。
階段を降りて先に進みます。
延暦寺の総本堂、根本中堂。
国宝の建物と重要文化財の廻廊があります。
最澄が一乗止観院として創建したのが始まり。
何回も災害に遭うけれど、復興の度に規模は大きくなり、
現在の姿は徳川家光の時代のものです。
ご本尊の前には、1200年間灯り続けている「不滅の法灯」も安置されてます。
本当でしょうか?!
釣灯籠の中で揺らぐ光が見えます。
御朱印は醫王殿(医王殿)。
醫王とは薬師如来の事です。
長い階段を上る人の姿は修行僧の様です。
見下ろすと根本中堂が見えます。
上りきると文殊楼。
延暦寺の山門にあたり、徒歩で本坂を登ると、まずこの門を潜るそうです。
慈覚大師円仁が中国五台山の文殊菩薩堂に倣って創建したもの。
江戸時代に焼け、その後建てられました。
ちなみに2階にも上がれますが、階段が急で、かなり危険です。
一隅を照らす会館で食事休憩。
延暦寺そばを食べました。
万拝堂。
日本全国の神社仏閣の諸仏諸菩薩諸天善神を勧請し、
更に世界の神々も迎えた平成の新堂との事で不思議な空間です。
108の数珠玉を手で回しながら一周すると煩悩が無くなるそうです。
大黒堂。
最澄が比叡山へ登った折、この地で大黒天を感じ、大黒天信仰の発祥の地と言われてます。
本尊の大黒天は、「三面出世大黒天」と言われ、
大黒天・毘沙門・弁財天が一体になった姿をしています。
僧侶が戒律を授かるお堂。
入れません。
最澄入滅後に建立されたものだそうです。
先祖、故人の供養をするお堂である阿弥陀堂。
本尊は丈6の阿弥陀如来。
その横には東塔。
最澄は全国に6か所の宝塔を建て、日本を護る計画をされましたが、
その中心の役割をする塔です。
塔の上層部には仏舎利と法華経が安置されています。
阿弥陀堂と東塔はまとめて御朱印を頂けます。
生憎の雨でしたが、見下ろすと霧が掛かって幻想的な雰囲気。
タイムスリップしたような感じです。
延暦寺②西塔に続きます。